飛騨の自然誌
コマクサ

Vol.5 〜8月の自然誌〜「コマクサ(駒草)」

 かつて汗を滴(したた)らせてやっとの思いでたどり着いた稜線(りょうせん)で感激の出会いをしたことがあった。それはザレ場の斜面にへばりつくようにして、淡紅色の花を咲かせた高山植物の女王と呼ばれるコマクサだった。まるで山頂へと誘(いざな)うかのように咲いていたことを思い出す。
 コマクサの名前は、花を駒(古語で馬のこと)の顔に見立てたことが由来。生育する場所は、ほかの植物が根を下ろすことが難しい不安定で痩(や)せた砂礫地帯。そこに群生する姿は、孤高な雰囲気さえ漂わせる。
 私は見たことはないのだが、高山帯の厳しい場所でも生育できる秘密は、地中深く伸びた根にあり、地上部の五〜十倍ほどの長さに達するという。
 今年の夏は高山植物の女王であるコマクサに会いに、乗鞍岳まで足を運んでみてはいかがだろうか。もちろん、インタープリター(自然案内人)と一緒に!きっと夏の思い出として、いつまでも心に残るはずだ!
【コマクサ】ケシ科コマクサ属 Dicentra peregrina

平田勉
筆者:中川 隆行
(なかがわ たかゆき)
岐阜県各務原市鵜沼地区在住
飛騨インタープリターアカデミー四期生。特定非営利活動法人飛騨インタープリター協会認定インタープリター。
飛騨インタープリターアカデミーから
平成20年4月から、飛騨インタープリターアカデミー修了生や受講生が、それぞれに伝えたい飛騨の自然についてご紹介しています。植物に加えて動物や自然散策などテーマはさまざま。一年間ぜひご愛読ください。
◎バックナンバー:4月<桜>5月<ニリンソウ>6月<サンカヨウ>7月<ライチョウ>
飛騨インタープリターアカデミー公式サイト
ホテルスタッフから
コマクサは私自身も最も好きな高山植物です。出会うためにはしんどい思いをして高い標高の山を登らねばなりませんが、乗鞍ではバスに乗り畳平まで行くことができるので、今の時期は気軽に登れる魔王岳などで見ることができます。8月上旬までが見ごろとのこと。
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