たばる話

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樹園から届くもぎたての香りに ホテルメイドの美味しさを重ねて

季節限定 もだに農園の紅玉使用 飛騨りんごのアップルパイ

オーブンを開けるとふわっと広がるりんごの甘酸っぱい香りとバターの香り。「ラウンジ木乃香」にこの秋、パティスリー「ベル・アンジェ」の宅野パティシエ監修による「飛騨りんごのアップルパイ」が、季節限定メニューとして登場しました。

フレッシュな食感の紅玉りんごの爽やかな酸味とジューシーな甘みを味わっていただくために、皮ごと丁寧にスライスし、相性抜群のサクサクしたパイに乗せて焼き上げました。アツアツのままテーブルに運ばれ、地元「こがみ養蜂園」のはちみつをお好みでかけていただくという、ラウンジだけで提供される限定メニューです。
香ばしいパイに、じゅんわりと広がるりんごのフルーティーなおいしさ。温かいアップルパイの上にアイスクリームを乗せたり、はちみつをかけたりと食べ進めるごとに新たな発見が楽しい一皿となりました。
今回はこの飛騨りんごとの出会いとアップルパイ誕生のストーリーをご紹介します。

飛騨の桃源郷と言われる高山市久々野町は、りんごや桃といった果物の栽培が盛んな土地。JR高山線の中で最も標高が高い駅としても知られています。
飛騨の紅玉りんごを生産しているのは、この久々野町で5軒の農家からなる農事組合法人「もだに農園」。果樹専門の農家としては岐阜県でも最大の生産量を誇ります標高800メートルという山の斜面に、秋映やシナノゴールドといったりんごが15~16種、サクランボや桃などの果樹が美しく続きます。そんな「もだに農園」でも、実はとても希少な品種でもあるのが、このアップルパイの主役「紅玉」です。

お話を伺ったのはもだに農園理事の谷口亮介さん(左)

「紅玉というのは昔からの品種でよく知られているのですが、今では作る人が減った品種でもあります。ここでも自分の祖父達の代から作られていました。りんごを甘く大玉に育てる技術を自分たちも培ってきたのですが、紅玉は逆に小さいものが良い、と言われるんです。結局、収穫量からするととても少ないんですね。それが紅玉は儲からない、と言われ、うちでも実際、儲けは出ない品種です。(笑)
でもこの標高で育てた紅玉は、朝晩の気温差から酸味がのり、美味しいお菓子作りができるのと、根強いファンからの要望で少しだけ作り続けているからとても希少になってしまったんです。」と谷口さん。

昔ながらの紅玉を残して栽培していたのは、「もだに農園の紅玉は美味しい」と根強いファンがいたから。

「飛騨りんごは実がしまっていて、糖度も高くそのまま食べてとても美味しいのですが、お菓子作りでは煮たり焼いたりしても崩れない食感や、紅玉のもつ酸味が一番大切。ハッキリと味が変わってきます。」と宅野パティシィエ。
紅玉は今ではとても希少な品種となってしまったことから、地元でも一般には出回ることが無く、紅玉は手に入らないと諦めていました。
それが初夏の頃、さくらんぼの収穫時に果樹園に足を運んだことから、ここで紅玉が収穫されていることを知ります。

樹齢40年ほどという木に真っ赤なりんごがたわわに実り日光に当たって輝いています。
「紅玉は出すとすぐに売れてしまうんです。旬もとても短いですし、収穫した後は保存がきかず、実が柔らかくなりやすいんですよ。」と谷口さん。
真っ赤に色づいたもぎたての紅玉をそのままかじらせてもらうと、シャクシャクと小気味いい食感に、昔ながらのりんごのようなくっきりと立つ酸味、したたる果汁で手がベタベタとすることから、糖度もしっかりありそのまま食べても美味しいことがわかります。

「この山は掘り返すと石がゴロゴロでてくるほどで、とても水はけのいい斜面なんです。秋から晩秋の気温がぐっと下がったの早朝なんかは、朝霧がずっと谷間を覆っていて、この果樹園からの眺めはまるで雲上のようですよ。
りんごは気温が17度以下になると熟してきます。昔は麓のほうからだんだん、花が咲いて実って、色づいてきたのがここ10年ほどは気温が下がる山頂のほうから、赤くなってくるんですよ。
今年の紅玉はゆっくり色づいてきたので、ベストコンディションで収穫できていますよ。」と谷口さん。袋掛けもせず、たっぷりと陽の光を浴びて樹上で完熟します。

新鮮な飛騨りんごの瑞々しいおいしさを極上のデザートに。『飛騨の極上食材の魅力を活かしきる』というのが宅野パティシィエのこだわり。

パティシィエ自ら農園に足を運んで、生産者の方の想いを感じることで、本当のりんごの味が詰まったアップルパイを召し上がって頂きたい、とメニュー作りがスタートしました。
砂糖や甘味料とは全く異なる、自然の甘みと優しい酸み。口に入れた瞬間の芳醇な香りは、飛騨の自然と人々の努力から生まれる贈り物。“今まで、食べていたアップルパイとは違う!”という驚きと感動をお約束する、「旬」を感じていただける逸品となりました。

  • ラウンジ木乃香
    もだに農園 飛騨りんごのアップルパイ

    もだに農園の飛騨りんご「紅玉」を使用した特製アップルパイ。お好みで飛騨市「こがみ養蜂園」のはちみつをかけてお召し上がりください。

    11月頃販売予定 セット販売のみ 1,500円(単品はなし)
    ドリンクはコーヒー、紅茶、オレンジジュース

農事組合法人もだに農園

農事組合法人もだに農園

アクセス 住所:岐阜県高山市久々野町久々野260番地
TEL:0577-52-3125

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